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低用量ピルでアフターピルの代用はできるの? ~アフターピルの入手方法とは~

低用量ピルでアフターピルの代用はできるの? ~アフターピルの入手方法とは~

低用量ピルとは継続して服用を続けることで避妊や月経痛改善が期待できる薬剤です。一方で、無防備な性交をした場合など、妊娠の可能性がある際に緊急避妊法として用いられるのが、いわゆるアフターピル(モーニングアフターピル)です。

では、緊急避妊が必要になった際に手元に低用量ピルがあった場合、アフターピルの代用はできるのでしょうか?ここではその可否とアフターピルを服用したほうがよい場面、アフターピルを処方してもらう方法などについて詳しく解説します。

医師監修

低用量ピルでアフターピルの代用はできない!

低用量ピルにはエストロゲンやプロゲステロンといった女性ホルモンが配合されており、継続して服用することで排卵を抑え、避妊を行うことができます。

一方でアフターピルにはレボノルゲストレル(LNG)という女性ホルモンが配合されており、国内で承認を受けているノルレボの場合は、緊急避妊が必要となってから(無防備な性交を行ってから)72時間以内に1錠を服用することで、その後1週間程度排卵が抑えられます。するとその間は性器内に存在する精子による受精が不可能になるため、避妊につながるのです。

どちらも女性ホルモンによって排卵を抑える点は同じですが、低用量ピルで確実な避妊効果を得るためには、7日以上服用を続ける必要があります。そのため、その間に排卵してしまえば避妊効果が得られず、低用量ピルを一度飲んだだけではアフターピルの代用にはならないと言えます。

ヤツペ法は非推奨かつ低用量ピルで行うことはできない

1970年代以降、ヤツペ法が主流だった時代がありました。ヤツペ法とは、無防備な性交後2時間以内に中用量ピル(低用量ピルよりも女性ホルモンの配合量が多い)を2錠飲み、その12時間後にさらに2錠追加で飲む方法です。この方法は、アフターピルに比べて妊娠率が高く副作用も多いとされています。

ほかの方法で緊急避妊が不可能な場合に行われることもありますが、現在では推奨されておらず、もちろん低用量ピルによって緊急避妊を行う方法も確立されていません。以上の点から、現在の緊急避妊法ではアフターピルを使用することが推奨されています。

アフターピルによる緊急避妊法がすすめられる場面とは?

アフターピルによる緊急避妊法を行ったほうがよいとされる場面は以下のとおりです。

  • 性交中にコンドームなどの用具が破れたり取れたりしてしまった場合、性交後にコンドームなどの用具の除去に失敗した場合
  • 低用量ピルを服用する際、シートの1週目(1~7日目)に3錠以上飲み忘れ、その月経周期中に無防備な性交があった場合
  • 低用量ピルの飲み始めが3日以上遅れ、その3日間またはその月経周期中に無防備な性交があった場合
  • IUD(子宮内に装着することで避妊を行う器具)が抜け出るなどした状態で無防備な性交があった場合
  • IUDやIUS(子宮の中に黄体ホルモンを放出することで避妊を行う器具)の除去前7日以内に無防備な性交があった場合
  • 低用量ピルと肝酵素誘導薬を併用している状況で、肝酵素誘導薬の服用期間中~服用終了後28日以内に無防備な性交があった場合

以上のような場合は早めに医療機関を受診し、アフターピルを処方してもらうとよいでしょう。

アフターピルはどのように処方してもらうの?

アフターピルは婦人科などの医療機関に直接足を運ぶか、クリニックのオンライン診療で処方してもらうことができます。処方の際は最終月経の時期や、無防備な性交を行った時期や状況などを問診で聞かれることが一般的です。問診で問題がなければ基本的に処方してもらえますが、アフターピルへの過敏症がある場合や重篤な肝障害がある場合、あるいはすでに妊娠している場合(妊婦の方)は処方してもらえません。

さらに、肝障害がある場合、心疾患・腎疾患患者または既往歴がある場合、特定の薬剤を服用している場合なども、服用は慎重に行うべきとされているため、処方が難しかったり、服用の際に条件がついたりすることがあります。

緊急避妊が必要な場合はアフターピルを処方してもらおう!

低用量ピルは継続して服用することで避妊効果が得られます。そのため、緊急避妊が必要になった場合のみ服用してもその効果は期待できず、アフターピルの代用はできません。
妊娠の可能性がある状況で無防備な性交を行った場合はアフターピルを処方してもらう必要があります。アフターピルの服用は無防備な性交の72時間以内(ノルレボの場合)に行うことが原則であるため、速やかに医療機関を受診するとよいでしょう。

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