ピルで便秘改善が期待できる理由
ピルは、卵胞ホルモンと黄体ホルモンという2種類の女性ホルモンが配合されている薬です。そのため、体内のホルモンバランスを整えることができ、女性の生理に伴うさまざまな症状の改善につながります。
ホルモンバランスの乱れを整えるため
女性が便秘になりやすい原因の1つに、ホルモンバランスの影響が考えられます。
女性の体内では、卵胞ホルモンと黄体ホルモンと呼ばれる2種類の女性ホルモンが分泌されています。
しかし、この黄体ホルモンには大腸のはたらきを抑える作用があり、排卵から生理開始までの間や、妊娠中は黄体ホルモンが増加するため便秘になりやすくなるのです。
ピルを服用すると、卵胞ホルモンと黄体ホルモンのバランスをコントロールすることができるため、便秘の改善にもつながるといえます。
子宮内膜症の改善もできるため
子宮が便秘に関係することを疑問に思う方もいるかもしれませんが、実は子宮内膜症を発症すると場合によっては便秘を引き起こすことがあります。
子宮内膜症とは、子宮内膜が卵巣や腹膜、腸など子宮以外の場所にできてしまう病気です。この子宮内膜が直腸と強く癒着した場合、便秘や下痢、お腹が張ってしまう原因につながります。
ピルには排卵を抑制するはたらきがあり、子宮内膜が厚くなるのを抑制するので、子宮内膜症の予防や治療にも使われます。
いつもは便秘をしがちなのに生理中は下痢っぽくなる、または便秘になってしまう、生理になると下腹部痛が強いなどの症状がある場合は、子宮内膜症を疑い、医師に相談してみるのがよいでしょう。
ピルの服用によって便秘になる場合もある
ピルには2種類のホルモンが配合されており、毎日1錠ずつを正しく飲むことで体内のホルモンバランスを整えます。
しかし、服用を開始してから2～3か月の間は便秘や下痢、むくみ、吐き気、頭痛などのマイナートラブルと呼ばれる軽い副作用が起こることがあります。
このマイナートラブルは体がピルに慣れるとともに症状が落ち着く場合がほとんどです。
ピルの服用を始めて便秘になってしまったという方は、ピルの副作用が原因となっていることが考えられます。2～3か月服用しても症状が改善しない、ひどい便秘でつらいという場合には、一度医師に相談・診察を受けてみるのもおすすめです。
ピル服用中に便秘になったときの対処法
ピルは、ホルモンバランスの乱れや子宮内膜症が原因と考えられる便秘の改善にも役立ちます。
一方で、ピル服用中にマイナートラブルとして便秘になってしまう可能性もあります。もし、ピルを飲んでいるときに便秘になってしまった場合は適切な対処をしましょう。
便秘薬を併用する
ピルを服用しているときに便秘になってしまった場合、便秘薬や下剤、便秘解消をサポートする漢方薬などを併用するのは基本的に問題ありません。
しかし、便秘薬や下剤などを下痢になるほど使用するとピルの避妊効果が弱まってしまう可能性があるので注意しましょう。
また、便秘薬や下剤を併用すると不正出血が起こる可能性もあります。この場合、不正出血が起こってもピルの服用は継続します。
ピルと便秘薬の飲み合わせが心配な場合や、なかなか便秘が改善しない場合には、一度医師に相談してみるのもよいでしょう。
便秘薬以外で改善する
ピルを服用中に便秘になってしまったとき、便秘薬や下剤などを併用したくない場合は食生活や生活習慣の見直しで改善するのも1つの方法です。
便秘改善には、ひじきやごぼう、緑黄色野菜などの食物繊維を多く含む食品や、適度な脂質、イモやかぼちゃなどを積極的に摂取するのがおすすめです。
また、過度なダイエットなどで極端に食事量を制限すると便秘の原因にもつながるため気をつけるようにしましょう。
ほかにも、十分に休息をとり規則正しい生活を心がけ、ストレスをうまく解消したり、過労になりすぎないように仕事量を調整したりするようにしましょう。
生理に伴う便秘はピル服用で改善が期待できる
ホルモンバランスの乱れによる便秘や子宮内膜症による便秘は、ピルを服用することで改善可能といえます。
また、ピルの服用を開始して便秘になった場合、便秘薬や下剤を飲んでも問題ありませんが、下痢になるほど服用してしまったときや症状が改善しないときは、一度医師に相談してみるのがよいでしょう。
オンライン診療では、便秘や下痢などのピルによるマイナートラブルが起こったときなど、軽い症状でも自宅にいながら気軽に医師に相談をすることができます。
病院へ足を運ぶよりも気軽に相談することができるので、心配なことがある、気になることがあるときにはオンライン診療を活用してみるのもよいでしょう。
また、通院や待ち時間のストレスも軽減でき、時間を有効活用することが可能です。
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