生理痛のときにお風呂に入ってもよいの?
生理中にお風呂に入っても問題ないといわれています。むしろ生理痛は体を温めて血液の流れをよくしたり、リラックスしたりすることによって、生理痛を和らげることが期待されます。これは、生理痛を悪化させる原因の中に体の冷えや、精神的・身体的なストレスがあるからです。
生理痛のメカニズム
生理痛は、子宮を収縮させる役割をするホルモン“プロスタグランディン”の分泌量が多いと子宮の収縮が過剰になり痛みを強く感じるようになります。また、体が冷えると血液の流れが悪くなり、プロスタグランディンが骨盤内に滞ってしまうことで、痛みを感じやすくなるといわれています。このほか、ストレスはホルモンや自律神経のバランスを乱し血液の流れを悪くさせ、痛みを強めることもあります。
このことからも、入浴はシャワーで済ませるよりも、湯船に浸かってしっかりと温まったほうが、生理痛を和らげるとされています。
お風呂に入るときの疑問や不安
お風呂を汚してしまうことはあるの?
入浴中は水圧で経血が出にくいため、湯船を経血で汚してしまう確率は低いといえます。ただし、経血量の多い方の場合には、湯船から立ち上がったと同時に経血が出てしまうこともあります。そのため、気になる場合には経血量の多い時期だけ足湯を活用するなど工夫するとよいでしょう。
腟内にお風呂の雑菌が入ってしまうことはないの?
清潔なお湯に浸かる分には、腟内に雑菌が入り炎症などを起こす可能性は極めて低いといえます。
生理痛を和らげるおすすめのお風呂の入り方
温冷交代浴
温冷交代浴とは、42℃以上のお湯に3分間浸かった後、冷たいシャワーを手足に10秒間かけることを繰り返す入浴方法です。温かいお湯と冷たい水を交互に浴びることで血行をよくする効果が期待できます。
ただし、冷たい水をかけるときは体に負担がかかりやすいため、全身に浴びないように注意しましょう。
半身浴
すこし長めに湯船に浸かりたい場合などは、腰から下だけ湯船に浸かる“半身浴”もおすすめです。38~40℃のお湯に20分以上浸かることによって、体をじっくりと温め、血行をよくすることが期待できます。
半身浴をするときは、上半身が冷えてしまわないよう、肩からタオルをかけるなどの工夫をするとよいでしょう。
生理痛がひどいときは?

以上のように、生理中は入浴方法を工夫するなどのセルフケアによって和らぐ可能性があります。しかし、セルフケアをしてもよくならないとき、日常生活に支障が出るほどつらいときは、我慢せず婦人科・産婦人科の受診を検討しましょう。
以下では、主な受診の目安をご紹介します。
生理痛で病院を受診する目安
- 鎮痛剤を服用しても生理痛が治らない場合
- 生理痛で仕事や学校を休まなければならない場合
- 経血量が多い場合
- 生理痛が年齢とともにひどくなっている場合
- 性交痛・排便痛・排尿痛など生理以外のときにも痛みがある場合
など
生理中はお風呂に浸かってリラックスタイムを取ることも大切
人によっては起き上がれないほどつらいこともある生理痛。ストレスや体の冷えが悪化させてしまうこともあるため、お風呂に浸かってゆっくりと体を温め、リラックスすることで痛みが緩和されることもあります。
また、ひどい生理痛が常態化している場合には、月経困難症として治療が必要になる可能性もあります。痛みを我慢せず、まずは一度婦人科・産婦人科を受診することを検討しましょう。