「ピルを飲むと太る」といわれている2つの理由
一部では「ピルを服用すると太る」といわれることがありますが、これは過去にホルモン量の多いピルの使用でいわれていたことで、低用量ピルには体重を増加させる作用はありません。
しかし低用量ピルの使用でも、いくつかの作用が体重の増加につながる場合もあるため、“ピルを飲む=太る”と勘違いしてしまうことも考えられます。
エストロゲンとプロゲステロンがむくみを引き起こす
ピルには「エストロゲン」と「プロゲステロン(黄体ホルモン)」と呼ばれる2つのホルモンが配合されています。
この2つのホルモンには、体内に水分を溜めやすくする作用があり、むくみの症状が出やすくなるため、実際に体重に変化はなくても一時的に太ったと感じてしまうことがあります。
ピルを服用していないときはエストロゲンとプロゲステロンの影響を受けないため、服用を中止するとむくみの症状は解消されます。
プロゲステロンが食欲を増進させる
プロゲステロンには、食欲を増進させる作用もあります。この作用により、一時的に体重も増加してしまうことがあります。
ほとんどの方であれば、食事量に気をつけたり、栄養バランスのよい食事を取ったりすれば問題はありません。
また適度な運動は、体重増加を防いだりピル服用による血栓症のリスクを予防したりすることにもつながるため、積極的に取り入れてみましょう。
ピルの種類の違いによって太ることはある?
ピルには高用量・中用量・低用量・超低用量とホルモンが含まれる量により種類が異なり、ホルモンの作用により太りやすさに違いがあります。
太るといわれているのは以前使用されていたピルが原因
「ピルで太る」といわれているのは、過去に緊急避妊薬の代用としてホルモン量の多いピルを使用するヤッペ法が実施されていたためです。
ホルモン量の多いピルを使用すると、むくみや食欲増進の作用をより強く現れることが多くなるため、太るといわれていました。
しかし、高用量ピルは吐き気などの副作用が強く出てしまうことが多く、2020年現在では中用量ピルや低用量ピル、超低用量ピルを処方することがほとんどです。
中用量ピルや低用量ピル、超低用量ピルは、高用量ピルよりもホルモンの配合量が少ないため、太ったと感じることは少なくなりました。
とくに低用量ピルは、高用量・中用量ピルと比べてホルモンの配合量が5分の1~10分の1まで減っているため、吐き気や頭痛などの副作用が現れることも少なく、太る可能性も低くなったといえます。
低用量ピルで太ってしまう原因はむくみと食欲増進によるもの
現在、避妊や生理痛の軽減などでピルを服用する場合、主に処方されるのは低用量ピルです。
- 低用量ピルには、
- トリキュラー28
- マーベロン28
- シンフェーズT28
- アンジュ28
- ラベルフィーユ28
- ファボワール28
などがあります。
これらの低用量ピルはホルモンの量が種類によって異なるため、しばらく服用して「むくみがひどい」「食欲が増加しすぎる」という場合は、医師に相談してピルの種類を変えてみることも検討してみてください。
低用量ピルの作用には個人差があるので、自分に合ったピルを医師と相談しながら見つけてみましょう。
ピルの服用で太るのを防ぐ方法とむくみの対処法
ピルは避妊効果以外にも、生理痛の軽減や生理不順の改善、卵巣がんや子宮体がんの予防などさまざまな効果をもたらす薬です。
しかし、ピルの服用によるむくみや食欲増進により、体重増加が気になる人は次のような予防法や対処法を検討してみてください。
ピルの種類を変える
むくみや食欲増進の症状が強く出てしまう場合は、ピルの種類を変えるのも1つの方法です。ピルの種類を変更したいときは、かかりつけの医師に相談してみましょう。
低用量ピル以外にも超低用量ピルもあるため、変化が見られない場合には再度医師に相談してみてください。
食生活を改善して食べすぎを防ぐ
ピルで食欲が増加してしまうのは、ピルに含まれるホルモンの作用によるもの。この作用による食べ過ぎに気をつけていれば体重増加を防ぐことが可能です。
ピルを服用し始めてから体重が増加した人は、まずは食事量を調節してみるのがおすすめです。
体重を増加させないためには、
- よくかんでゆっくり食べる
- 1回の食事量を減らす
- カロリーの高い食べ物の量を減らす
- 間食をするときはナッツ類やチーズなど太りにくいものにする
などが効果的です。
「ピルは太るから」といって、極端なダイエットを行うのは生理不順や体調不良を招く原因にもつながります。
あくまでも食べすぎないことを心がけた食生活を目標とし、食べない食生活を送らないよう注意しましょう。
むくみを改善する方法
むくみは不要な水分が体内に溜まることが原因で起こるため、水分を体外へ排出しやすくする以下のようなセルフケアを行うことで改善できます。
- 食生活の改善
- ビタミンやミネラル、たんぱく質を積極的に摂取する
- 塩分やアルコールの摂取量を減らす
- 適度な運動
- 長時間同じ姿勢でいないようにする
- 過度なダイエット
- エアコンを使用しすぎない
- 体を冷やさない
これらの改善方法は、ピル服用により血栓症のリスクの低減にもつながるため、積極的に取り入れるようにしましょう。
ピル服用による体重増加が心配な場合は医師に相談を
「ピルは太る」といわれることがありますが、ピルによってエストロゲンとプロゲステロンが増加し、むくみや食欲増進を引き起こすことが関係しています。
しかし、避妊や生理痛の改善のために使用されている低用量ピルでは、むくみを解消するセルフケアを行ったり、食べ過ぎを防いだりすることで太ることを防ぐことができます。
また、どうしても改善しない場合には医師に相談して、ピルの種類を変えてみてもよいでしょう。
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