PMSとつわりの特徴とは
PMS
生理前にさまざまな精神的、肉体的な症状が現れ、生理開始と同時に緩和・消失することを月経前症候群(PMS)といいます。はっきりとした原因は不明ですが、生理に伴う女性ホルモンの変化が関与しているといわれています。
主な症状として、イライラ、抑うつ、不安、眠気などの精神神経症状や腹痛、頭痛、腰痛、あるいは吐き気のような身体的症状がみられます。
つわり
妊娠中一時的に消化器症状などが生じ、次第に消失するものをつわりといいます。つわりの主な原因としては、ホルモンバランスの変化などが挙げられます。
主な症状としては、吐き気や匂いへの過敏性、眠気、イライラ、頭痛などが挙げられます。
PMSとつわりの症状
PMSの症状は多彩ですが、人によっては吐き気・眠気・イライラ・頭痛など、つわりとよく似た症状が現れることもあります。そのため、生理が遅れていたりすると、「これはPMS? それともつわり?」と不安に思う方も少なくありません。
以下では、つわりの代表的症状である“吐き気”に焦点を当て、PMSとつわりの症状の違いについて見てみましょう。
PMSによる吐き気
PMSの吐き気には個人差がありますが、食欲の低下や軽い出血を伴う傾向があるといわれています。PMSによる吐き気の原因は排卵によるホルモンバランスの変化や、子宮の収縮を促す“プロスタグランジン”の過剰分泌による胃腸の締め付けと考えられています。
つわりによる吐き気
つわりによる吐き気にも個人差があり、食べても吐いてしまう、お腹が空いているのに気持ち悪くて食べられないなどさまざまな方がいます。つわりがひどい方では、水を飲んだだけでも吐いてしまう方や、食べ物が口に入っていないと吐き気がするという方もいます。
PMSとつわりの見分け方
症状では判断が難しいこともあるPMSとつわりですが、どのように見分ければよいのでしょうか。
症状が現れた時期から見分ける
PMSとつわりでは、症状が現れるタイミングが異なります。個人差があるため一概にはいえませんが、症状の現れたタイミングからおおよその推測が可能だといわれています。
PMSは生理が始まる3~10日前から生じることが一般的で、生理の開始とともに症状が緩和・消失します。一方、つわりは妊娠5週目あたりから生じ、8~9週目にピークを迎えて、15~16週目頃に落ち着くことが一般的です。妊娠の週数は最近の月経の開始日を起算点に数えるため、つまり直近の生理から5週間頃からつわりの症状がみられ、数週間にわたって続くことが予想されます。
体温から見分ける
日頃から基礎体温を計測している方であれば、体温の変化からPMSとつわりを判別できる可能性があります。
基礎体温は、ホルモンバランスの影響から排卵日を境に、生理が始まってから排卵まで続く低温期と、排卵から生理が始まるまで続く高温期があります。それぞれ2週間程度ですが、生理が始まっても高体温の状態が長く続いている場合は、妊娠している可能性が考えられます。
そのため、症状が現れているときの体温が普段より低いのか、高いのかによっておおよその判別が可能です。
病院を受診する目安
吐き気にかかわらず、日頃から生理前に精神的・肉体的な不調を感じやすい方は、これを機に婦人科・産婦人科の受診を検討してもよいでしょう。問診・検査の結果、PMSであることが分かれば、薬物治療を中心とした治療が受けられる可能性もあります。
また予定を過ぎても生理が来ない場合、性交渉があった場合には、市販の妊娠検査薬を利用してみましょう。陽性であれば、速やかに産婦人科の受診を検討することが大切です。
つらい症状は医師に相談することが大切
PMSとつわりは症状がよく似ている場合もあり、状況によっては自分で判別することが難しいケースもあります。そのため、気になるときは婦人科・産婦人科の受診を検討しましょう。病院へ行く時間がないという方は、PCやスマホなどから自宅で診察を受けることができるオンライン診療を活用するのもよいでしょう。