低用量ピルとホルモン剤は何が違うの?
低用量ピルは、エストロゲンやプロゲステロンといったホルモンが含まれた混合ホルモン剤のひとつです。しかし、ホルモン剤というと、一般的には更年期障害などの治療法であるホルモン補充療法に使うものを指します。そのため、正確には低用量ピル=ホルモン剤ではなく、ピルを更年期障害の治療などにも使うことはできません。
低用量ピルをホルモン剤の代わりに使うリスクは?
30歳代後半以降、体内のエストロゲンが急激に減ることで、疲れやすさやほてり、動悸など、更年期障害のようなさまざまな不調が現れることがあります。このときに低用量ピルを飲んでいると、エストロゲンが補充されるため、症状の改善が期待できます。
しかし、低用量ピルは、ホルモン補充療法で使われるホルモン剤に比べて4倍以上の強さのホルモンが含まれています。そのため、むやみに服用を続けると、乳がんや血栓症などを発症するリスクが高まることもあるので、更年期のような症状を改善したいがために、自己判断で服用を続けることは控えましょう。
更年期障害の治療方法は?
更年期障害の治療は、ホルモン補充療法のほか、漢方療法やプラセンタ療法など、さまざまな方法があります。さらに、ホルモン補充療法に使うホルモン剤にも、エストロゲンのみが含まれているもの、プロゲステロンだけが含まれているもの、両方のホルモンが含まれているものといくつかの種類があります。
ホルモン補充療法では、これらのホルモン剤を体質などによって使い分ける必要があります。どういったホルモン剤を使用するかは、受診時によく医師と相談しましょう。
低用量ピルをホルモン剤と同じように使うのはNG!
低用量ピルにもエストロゲンやプロゲステロンといったホルモンが含まれていますが、更年期障害の治療などに使われるホルモン剤とは含まれるホルモン量が異なります。そのため、自己判断で低用量ピルをホルモン剤として更年期障害のような症状の改善のために使うのは、絶対にやめましょう。もちろん、ホルモン剤を避妊目的で使用することもできません。
更年期障害のような症状が気になる場合は、ホルモン補充療法などの適切な治療を行うことで解決が期待できるため、まずは医師に相談しましょう。
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