低用量ピルと漢方の併用は問題ない？
低用量ピルと多くの漢方薬の併用は、基本的には問題ないとされています。生理前に現れるイライラなどのさまざまな病症状を引き起こす月経前症候群（PMS）や重い生理痛などを引き起こす月経困難症の場合、低用量ピルと漢方薬を併用して治療を行うこともあります。
ただし、セント・ジョーンズ・ワート（和名：セイヨウオトギリソウ）という生薬（漢方の元になる薬効のある植物など）が含まれている場合は、ピルの効果を弱める可能性があるため併用は避けましょう。
低用量ピルとの併用に注意すべき薬
C型肝炎の治療に使われる一部の薬では、低用量ピルとの併用が禁止されています。これは、併用することで肝機能に異常が出るためで、服用終了から2週間以上経過しないと低用量ピルを飲むことはできません。
これ以外にも、低用量ピルと併用することで相互作用が出てしまう薬があるため、併用したいときは必ず医師に相談しましょう。注意が必要な薬は以下のとおりです。
併用によって低用量ピルの効果が弱まる薬
以下のような薬を併用すると、低用量ピルの代謝を早めたり、腸内環境を変えて薬の吸収を抑えたりするため、低用量ピルの効果が弱くなることがあります。
- 抗てんかん薬
- 抗結核薬
- HIV感染症治療薬
- 肺高血圧の薬（ボセンタン）
- 睡眠障害治療薬（モダフィニル）
- 一部の抗生物質
併用によって低用量ピルの効果が強まる薬
以下のような薬を併用すると、低用量ピルの効果が強まることがあります。ここで言う「効果が強まる」とは、避妊効果が高くなるという意味ではなく、副作用のリスクが高まるといった危険があることを指すため、注意してください。
- 抗真菌薬（フルコナゾール・ボリコナゾール・イトラコナゾール）
- 解熱鎮痛薬（アセトアミノフェン）
併用によって併用した薬の効果が弱くなってしまうもの
低用量ピルと併用した場合、以下のような薬の効果が弱くなることがあります。
- 血糖降下薬
- モルヒネ塩酸塩
- 解熱鎮痛薬（アセトアミノフェン）
- Gn−RH誘導体（子宮内膜症などの治療薬）
- 抗菌薬（スルホンアミド系薬剤）
- 抗てんかん薬
併用によって併用した薬の効果が強くなってしまうもの
以下のような薬と併用すると、薬の代謝が抑えられたりすることで、併用した薬の効果が強くなってしまうことがあります。こちらも、副作用のリスクなどが高まる可能性があるため注意が必要です。
- 三環系抗うつ薬
- 副腎皮質ホルモン（ステロイド）
- 免疫抑制剤（シクロスポリン）
- パーキンソン病治療薬（セレギリン塩酸塩）
- ぜんそくの薬（テオフィリン）
- 胃酸を抑える薬（オメプラゾール）
低用量ピルと漢方は基本的に併用可能！
セイヨウオトギリソウが配合されていなければ、低用量ピルと漢方の併用は基本的に問題ないといわれています。
もし、セイヨウオトギリソウが配合されている漢方やピルとの併用に注意が必要な薬を一緒に飲んでしまい、低用量ピルの効果に影響がないか心配な場合は、服用後一週間程度は別の避妊法も行うようにしましょう。
また、漢方やそのほかの処方薬を新しく服用することになった際には、あらかじめピルを飲んでいることを医師に伝えておくと安心です。
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